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学会・セミナーレポート

第97回日本獣医麻酔外科学会/第109回日本獣医循環器学会
秋季合同学会 開催される

 2019年1月12日(土)・13日(日)の2日間にわたり、仙台城址近くの仙台国際センターにおいて、第97回日本獣医麻酔外科学会/第109回日本獣医循環器学会秋季合同学会が開催された。

 今回も特別講演、合同シンポジウムのほか、教育講演、リフレッシャーコース、シンポジウム、パネルディスカッション、症例検討会、一般講演、動物看護師対象セミナーなど、計7会場にて外科および循環器の最新情報を盛り込んだセミナーが行われた。また、シュミレーターを使用したリカバーCPRの体験特別会場も設けられた。

 初日には、上地正実先生(JASMINEどうぶつ循環器病センター)講演の「僧帽弁閉鎖不全症の診断と治療-ACVIMコンセンサスの最新情報-」が行われ、現在進行中のACVIMにおけるコンセンサスの改定ポイントを含めた最新知見が解説された。

 2日目の午前中にはシンポジウムとして、「災害派遣医療チーム(DMAT)専門医師から学ぶ災害時の獣医療」が行われ、立石順久先生(成田赤十字病院、千葉大学)の「災害時における災害拠点病院・DMATをはじめとした医療供給体制の現状と課題」の講演をはじめ、VMAT獣医師についてを藤本順介先生(ふじもと動物病院)、人とペットの災害対策ガイドラインについてを田口本光氏(環境省)、東日本大震災に伴う被災ペットの救護についてを平野井 浩氏(福島県保健福祉部食品生活衛生課)が解説された。

 会場によっては席が足りないほどの盛況ぶりであり、懇親会では仙台ならではの出し物が催され、2日間にわたり多くの先生方が充実した時間を過ごした。

会場の様子

尾形庭子先生 「子犬の本」第2版 出版記念講演 開催

 2018年12月20日(木)パナソニック東京汐留ビル(東京・港区)で、尾形庭子先生(パデュー大学獣医行動科)による「『子犬の本』第2版 出版記念講演」が開催された。テーマは「飼い主さんと動物病院をつなぐ、動物行動学~一般診療における『子犬の本』の使い方」。
 米国獣医行動学専門医であり、また日本獣医動物行動研究会の幹事も務める尾形先生は、自身の勤務地であるアメリカと日本の違いも考慮にいれ「1.主訴に頼った受け身な診察になっていませんか?」「2.個体の行動や性格を相談されても返事に困っていませんか?」「3.紹介制度を上手に利用していますか?」「4.日常診療時最低限必要な行動学の道具や使い方をマスターしていますか?」「5.病院スタッフを十分活用していますか?」「6.行動学に使用する薬剤のアップデートしていますか?」をキーワードに、日々の診療で動物病院がどのように動物行動学を取り入れていくか、意識向上の具体例をあげ、参加者へわかりやすく紹介した。
 飼い主が自身と暮らす犬や猫に問題行動が発生する前、飼い主がトラブルを抱え込む前、病気になる前から絆を深めていくことの大切さを、監修を務める「子犬の本」の活用法も含め講演され、会場は熱心に耳を傾けた。

 また、アメリカを中心に2016年よりスタートしたWEB教育コース「Fear free program」についても触れられた。ペットのストレスや不安・恐怖の軽減を目的に行動科や麻酔科をはじめとした獣医内科分野等の専門家の監修協力による本プログラムは、日本にも導入予定とのこと。

 本講演の主催はVSJ,LLC。オンラインで獣医師・動物看護師向けの教育サービス「VSJカレッジ」を実施している。代表の三好紀彰先生は「病院力」をテーマに今後も展開していきたいとのこと。まさに「病院力」を高めてくれる尾形先生の本講演は大阪でも開催された。

尾形庭子先生

会場の様子

VSJ代表の三好紀彰先生

第39回動物臨床医学会年次大会 開催

 2018年11月16日(金)~18日(日)の3日間にわたり、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)において、第39回動物臨床医学会年次大会が開催された。今回も20会場にて多くの分科会のセミナーやパネルディスカッション、症例検討、一般口演などが行われ、多くの参加者が興味のあるセミナーを行き来する姿が見受けられた。
 今回は市民公開シンポジウムとして、「あなたとペット動物の災害対策-特にペットとの同行避難の為に-」が設けられたこと、また前回まで5階にあった企業展示会場が10階に移り、5階ではペット情報サイト「Sippo」の写真展が行われるなど、獣医療界をより現状に即した形にしていこうとする意識が感じられる大会であった。
 次回節目となる第40回記念大会は、2019年11月15日(金)~17日(日)、同じく大阪国際会議場にて開催予定。

会場の様子

第62回 比較統合医療学会学術大会 開催される

 2018年11月10日(土)、11日(日)の2日間にわたり、日本獣医生命科学大学・日本医科大学武蔵境校舎(東京)において、第62回 一般社団法人比較統合医療学会学術大会・第21回 日本補完代替医療学会学術集会が開催された。今回は「人間と動物の健康促進・未病改善をめざして」をテーマとして、獣医療と医療の双方から、漢方や栄養療法、多岐にわたる治療技術など、幅広い研究が紹介された。
特別講演として鳥巣至道先生(宮崎大学)「小動物消化器外科領域で用いている統合医療の現状と課題」、安川明男先生(西荻・上石神井動物病院)「The effect of Low Reactive-Level Laser Therapy (LLLT) with Helium-Neon Laser on Operative Wound Healing in a Rat model」ほか全8題、教育講演1題、一般講演は両日で37題におよび、さまざまな新知見や治療の試みが発表されていた。
一般社団法人比較統合医療学会学術大会は今年度まで年2回開催であったが、来年度から年1回としてさらなる内容の充実を図ることとなる。今後も、新しい獣医療の可能性を模索する場として展開することが期待される。

会場の様子

北海道小動物獣医師会年次大会2018 開催される

 2018年11月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり、北海道・ロイトン札幌において、北海道小動物獣医師会年次大会2018が開催された。第26回となる今回は、獣医師学術セミナーと動物看護師セミナーをメインに、獣医師・動物看護師合同セミナー、症例検討会、動物看護師発表会などが行われた。
 初日の獣医師学術セミナーでは、「開業医が知っておくべき眼科疾患の一次処置」と題し、都築圭子先生(東京大学)が、緊急の一次処置が必要な眼科症例、適切な一次処置で悪化を防げる眼科疾患を挙げ、専門病院に紹介する前に各動物病院で可能な処置のポイントを解説した。初日はこのセミナーを皮切りに計5講演が行われた。
 また、2日目には計7講演が行われ、動物看護師ランチョンセミナーでは、「高齢犬・猫のより良い生活応援のために!」と題し、佐野忠士先生(酪農学園大学)が“できる”看護として、食事と適度な運動、いたみの評価、薬剤やサプリメントの使用などを解説した。
 会場では約80社の企業ブースが立ち並び、震災の影響もなく、セミナーや展示からよりよい情報を得ようと、のべ450名を超える参加者が集まった。

会場の様子

日本動物看護学会第27回大会開催

 2018年10月27日(土)、28日(日)の2日間にわたり、学校法人シモゾノ学園大宮国際動物専門学校および大宮ソニックシティ小ホール(埼玉)において、日本動物看護学会第27回大会が開催された。
今回のテーマは「職業社会人における動物看護学」であった。まず開会にあたり『プロフェッショナリズムを持った動物看護師の確保と「One Family, One Health」の推進を』と題し、酒井健夫先生(公益社団法人日本獣医師会副会長)による主催団体企画講演が行われた。また学会・主催団体合同企画シンポジウム「動物看護師資格の国家資格化について」においては、下薗惠子先生(一般社団法人全国動物教育協会会長)、石岡克己先生(全国動物保健看護系大学協会カリキュラム委員長)、横田淳子氏(一般社団法人日本動物看護職協会会長)、原 大二郎先生(一般財団法人動物看護師統一認定機構理事)により、動物看護師資格国家資格化に向けての積年の取り組みを再確認し、コアカリキュラム・統一試験など教育の高位平準化の進行、現在の具体的な活動や法整備への働きかけなどが講演された。横田会長は講演のなかで「動物看護師は、動物を助けたいという思いのみならず、飼い主を支え、社会に貢献するという意識をもたなくてはならない」と、会場の動物看護師や学生によびかけた。2日目の学会主催シンポジウムは「ここまで来た! 代替教材の今」と題し、小沼 守先生(千葉科学大学)座長、山下眞理子先生(学校法人シモゾノ学園)の司会で、桜井富士朗先生(慶応義塾大学)、阿部仁美先生(帝京科学大学)、荒川真希先生(ヤマザキ動物看護大学)、菅澤圭二氏(株式会社ラスターテック)により、現在の生体代替モデルとそれらを用いた学習の効果などが紹介された。また一般演題は口頭発表13題とポスター発表13題にのぼった。
現在、小動物臨床の現場では、動物看護師を含むチーム獣医療という考え方が広まってきている。今回の参加者はのべ500名を超え、動物看護師の職域の確認、また学問分野としての動物看護学の確立を、改めて掲げる大会であった。次回、第28回大会は2020年2月8日(土)、9日(日)、奈良県にて開催される。

会場の様子

VSJ SUMMIT 2018開催

 2018年10月21日(日)、東京・永田町のNagatacho GRID にてVSJ SUMMIT 2018が開催された。2015年から発足した本会は「つながり」をキーワードに獣医療界のキーパーソンが集まる会であり、今回で4回目。「Change!」をテーマに多方面にわたる講演が展開された。
 本会の共同代表である辻田裕規先生の開会の挨拶からはじまり、午前中は「獣医療業界のチームワーク!」(三好紀彰先生、豊田陽一氏、村田裕史先生、朴 永泰先生)、「獣医療チームでの動物看護師の役割」(Kenichiro Yagi氏)が行われた。小動物臨床においてチームとして機能するにはどうすればよいか、チーム内で間違いなく重要なポジションである動物看護師をどのように獣医療界全体で捉えていくべきか、具体的な事例を交えて、スピーカーの先生方と参加者とでディスカッションが行われた。
 午後は「動物看護師教育と資格-現状とこれから−」(佐々木伸雄先生)にて、動物看護師の公的資格化に向けた現状が紹介され、続いて「動物看護師の役割と展望について語る!」(小笠原聖悟先生、仲地亜由美氏、小川祐香理氏、佐々木伸雄先生、Kenichiro Yagi氏)によって動物看護師の側からの率直な意見が示され、議論が行われた。
 ティータイムを挟み、「日本から学術論文を世界へ発信する!」(佐野洋樹先生、源本知美先生、長谷川大輔先生、難波信一先生)、「獣医療領域における救急医療の未来!」(佐藤昭司先生、新井 弦先生、川瀬広大先生、上田 悠先生、中村篤史先生)と1日を通して、最新の獣医療事情に踏み込む内容が展開された。
 多くの参加者の、これからの日本の小動物臨床の現場で何が必要か、何が可能なのかを考えるヒントを得ようと熱心に耳を傾けている姿が印象的であった。

会場の様子

第20回記念 日本臨床獣医学フォーラム年次大会 2018 開催

 2018年9月28日(金)~30日(日)に、第20回記念 日本臨床獣医学フォーラム年次大会 2018が、ホテルニューオータニ(東京都・千代田区)にて、開催された。

 記念すべき第20回のテーマは「もっと考えよう伴侶動物との暮らし―どうぶつにやさしい医療―」。大会後半の台風の接近にもかかわらず、7,000名近い参加者が集い、「海外講師プログラム」「One Healthプログラム」をはじめ、画像診断学、腫瘍学、神経病学、軟部外科学、整形外科学、眼科学、歯科学、皮膚病学、内科学、内分泌学、循環器病学など、お目当てのプログラムへ足を運んだ。
また今年も獣医師、動物看護師向けの学術プログラムに加え、トリマーや市民向けのプログラムも展開され、会場は熱気に包まれていた。展示会場も充実したブースが立ち並び、多くの人が足を運び活気に溢れた。

「2019年のFASAVAの前哨戦」が早くもくり広げられているようだと石田卓夫会長。来年のFASAVA-TOKYO 2019では英語やその他の言語でのプログラムの展開を紹介し、FASAVA-TOKYO 2019の成功へつなげたい意向を示した。

開会式であいさつをする石田卓夫会長

Team HOPE「ペットの健康寿命を考える」プレスセミナー開催

 2018年9月5日(水)、東京・日本橋において、Team HOPE(チームホープ)主催「ペットの健康寿命を考える」プレスセミナーが開催された。
 開会に際しTeam HOPE 代表である太田亟慈先生(犬山動物総合医療センター)により本セミナーの趣旨が説明された。ペットの予防医療と健康寿命延伸を目指す獣医師団体Team HOPEは、昨年設定された「ペットの健康診断の日」10月13日(じゅういさん)に合わせ、10月にペットの健康診断キャンペーンを展開する。本セミナーは獣医療界のみならず、一般向けのメディア、団体にも広く告知するため開催された。
 講演として、Team HOPE学術アドバイザー・石田卓夫先生(赤坂動物病院)より「伴侶動物の健康診断」と題し、動物の健康診断の必要性と目標、具体的な項目やその目的が解説された。続いてTeam HOPE 副代表の上條圭司先生(ゼファー動物病院)、同じく副代表の川瀬英嗣先生(王禅寺ペットクリニック)と、青木 愛さん(元シンクロナイズドスイミング日本代表)によるトークセッションが行われた。青木さんは自身の愛犬たちの治療や生活、飼い主としての感じ方や考えを語られ、上條先生と川瀬先生からは獣医師としての説明とアドバイスが加えられた。
 また実際に高齢のモデル犬が登場し、飼い主自身が家庭でも行うことができる全身のボディチェック方法について、上條先生が解説しながら実演され、その際のチェック項目をまとめたTeamHOPEウェルネスチェックシート(http://teamhope-f.jp/wellnesscheck.html)について紹介された。
 質疑応答では、メディアから挙がった飼育方法の変化やペットフードに関する質問に対して、室内飼育や信頼ある総合栄養食の重要性について説明された。
 キャンペーンとしては、10月13日(土)、東京・ヤマザキ動物専門学校における「TeamHOPE関東地区ペットの健康診断の日」イベントや、そのほか各地でイベント・講演等が開催される。
 詳細および問い合わせは、TeamHOPE広報事務局 http://teamhope-f.jp/1013.htmlまで。

(左)高齢のモデル犬のボディチェック方法を指導する上條先生

(右)青木さん(中央)とTeam HOPEの先生方(左から上條先生、川瀬先生、太田先生、石田先生)

一般社団法人日本獣医眼科カンファランス2018年年次大会 開催される

 2018年8月19日(日)、東京・御茶ノ水ソラシティにて、一般社団法人日本獣医眼科カンファランス(JVOC)2018年年次大会が開催された。今回は「ぶどう膜炎」をテーマに4講演が行われ、その他に一般演題、合同セッションが行われた。

 今回の大会長である金井一享先生(北里大学)の挨拶からはじまり、午前中は一般演題5題の発表のあと、滝山直昭先生による「免疫原性ぶどう膜炎について(獣医眼科学)」の講演が行われ、主に水晶体起因性ぶどう膜炎(LIU)、Vogt−小柳−原田病(VKH)の解説が行われた。昼のJVOC活動報告を挟み、午後は宝来玲子先生(NIH)による「自己免疫性ぶどう膜炎の発生機序」、長井紀章先生(近畿大学)による「ナノ結晶による眼科DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)−前眼部・後眼部への薬物供給と眼疾患の治療−」の講演が行われ、人医学の観点からの基礎研究および最新知見が紹介された。そして、金井一享先生による「ぶどう膜炎の新たな治療法」の講演が行われ、可能性として新規物質や分子標的薬、ナノ粒子化製剤などの解説が行われた。最後の合同セッションでは、先のぶどう膜炎に関する講演を踏まえ、多くの質疑応答が行われた。

 新しい試みとしては、今回から一般演題に関してアワード表彰が実施されることになり、三輪幸裕先生(慶應義塾大学)発表の「網膜病的血管新生・神経変性に対するHIF阻害剤トポテカンの治療的効果」が選出された。

会場の様子

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